第48章 夜会前夜 ※
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「――――綺麗だ、ナナ。」
「ん………、ご機嫌、とり……でしょ……?」
昂る熱を唇からも伝えようと何度も口付けるが、ナナはどこか疑うような目を向ける。ハンジの前で痴態を晒させたことを怒っているらしい。そのご機嫌をとるために甘い言葉を囁いていると思っているのか。
「馬鹿言え。場所も…っ……見境なく、盛っちまうぐらい……、お前に…持ってイかれてる……っ……!」
息が上がる。俺は相当イラつき、同時に興奮していた。
ハンジに感謝さえする。
こんな姿で夜会に出るとは思ってもみなかった。薄汚ぇ豚共と、虎視眈々とナナを狙うあいつに視姦されるのが目に見えている。
クソほど面白くねぇ。
―――――が、こうして煌びやかなドレスと相反して乱れる姿を拝めるのは役得だ。
ドレスの上からナナの腰を強く掴んで、引き寄せながら杭を打ち込むように体内を侵していく。
「あっ、ひぅっ…あぁっ、は…ぁっ…!」
「今日は…っ…優しく、…出来ねぇ……っ、悪りぃ……。」
「……それ、も…っ……、 リヴァイ、さん…だから………。我慢、しなくて……っ、いい……。」
「――――くそ、………渡したくねぇ、誰にも。ナナ―――――。」
髪を整えるどころか振り乱させ、届いたばかりのドレスに汗を吸わせ、鳴かせる。
エルヴィンから今回の夜会にナナを伴う意味を聞かされたが、当たり前にその建前の裏にはあいつの思惑がある。
選ぶのはナナだと腹を括っていても小さく過る不安に抗えず、みっともなくナナにぶつけた。