第5章 絶望
「エレン!!!!ミカサ!!!!!!アルミン!!!!」
私は二人に駆け寄り、思い切り抱きしめた。すぐにエレンとミカサの様子がおかしいと気付いた。
「ナナ………!!」
エレンとミカサは、私に抱き着いてきた。がたがたと震えている。どんなに怖かっただろう。
なぜ、私が付いていてあげられなかったのか。
悔やまれてならなかった。
周りを見回して、カルラさんの姿がないことに気付く。
背中に、嫌な汗がじわりと滲んだ。
「ねえ………カルラさんは………?」
私の問いに、エレンが今までに見たことのないような殺意に満ちた目で涙を流して言った。
「俺達を逃がすために………目の前で………食われた………!」
「――――――――……………!!」
「ナナ………!俺はっ………調査兵団に入る………!」
「エレン………!」
「殺してやる……っ!!一匹残らず、この世から駆逐してやる………!!!」
私はただひたすら、生きのびてくれてありがとう、ごめんね、と繰り返しながら、その心がバラバラに壊れてしまわないように、彼らを抱きしめることしかできなかった。