第5章 絶望
「とんでもねぇ事が起こったぞ!!!!号外だ!!!!ウォール・マリアが、巨人に突破された!!!!!」
「な……?!?!」
私はビラを掴むと、その内容に驚愕した。
ウォール・マリアが巨人によって破壊され、シガンシナ区は壊滅、多くの住民が捕食されたという衝撃の事実を突き付けられた。
「エレン………!ミカサ………カルラさん……!!」
私は目の前が真っ暗になった。彼らは無事だろうか。
神様。
どうか、私の大切な人たちを守ってください。
ただただ、祈ることしか、できなかった。
ガクガクと震える私を見て、ダミアンさんは察したのだろう。自身の情報網から、新たな情報を集めてくれた。それからしばらく経って、私たちが暮らしていたシガンシナ区は完全に壊滅、今も巨人が闊歩していると知らされた。かろうじて逃げ延びた人々は、トロスト区へと避難したという。
「ダミアンさん!!虫が良いお願いなのは承知です……!どうか、どうか私をトロスト区の避難所まで………連れて行ってください………!」
ダミアンさんは私の願いを叶えてくれた。
馬車を飛ばし、避難所へ送り届けてくれた。
そこで見た人々の顔は、今でも忘れられない。巨人に対する恐怖で発狂する人、絶望から廃人と化している人………。
その中に、エレンとミカサ、彼らの友人であるアルミンの姿を見つけた。