第48章 夜会前夜 ※
リヴァイさんは私を資料が散らかった机へと追いやりドレスの長い裾をまくりあげると、私の太腿で止められたガーターベルトを珍しそうに指で弾いた。
「――――なんだこれは。」
「あ、それ……ガーターベルト……。」
「………クソエロい。悪くねぇ。」
「――――……あっ…………!」
片腿を掴んで膝を折るように持ち上げられると、恥ずかしさで肩がすくむ。
「見えなきゃいいよな?」
「え……?」
私の返答を待たず、リヴァイさんは私の膝裏を持ち上げて露になった内腿を食んだ。鋭い犬歯が食い込むと、その肌を強く吸われる。歯形と共に赤い印が刻まれていく。
「――――あ……っ………。なに、して……っ……!」
「――――――嫉妬。」
「嫉妬……?」
リヴァイさんはどこか悔しそうな眼を乱れた前髪の隙間から覗かせた。
「――――こんな綺麗な姿を大勢の男の前に晒したくねぇし、エルヴィンになんて預けず――――本当は閉じ込めておきたい。」
なんて素直に口に出すのかと驚いた。
私の身体の柔らかい部分に次々と唇の痕を散らしては舌を這わせる。何かと葛藤しているような悩ましさがまた彼の妖艶さを際立てる。
「―――――ナナ、挿れていいか。」
小さく頷くと、下着をずらして指でなぞられる。もうそこが期待で濡れていることがわかる。
くちゅ、と愛液を絡めた指が粘液質な音を鳴らした後、カチャカチャとリヴァイさんのベルトが解かれる音がする。
鍵をかける音といい、このベルトを外す音といい、私はこの金属音の後に来る快感を期待してしまう。