第48章 夜会前夜 ※
「あ、の……?」
「珍しくいい仕事をするじゃねえか、クソメガネは。」
「は……?」
リヴァイさんは顎に手を当ててまじまじと私を見つめた。
「――――髪、上げてみろ。」
「はい……。」
長い髪をざっくりと手でまとめて、首筋を露わにした。
「―――――そのまま後ろ向け。」
「は、い………。」
「―――――イラつくほどそそるな。」
その言葉を発したと同時に、後ろから捕われて首筋に唇が触れた。小さくペロリと首筋を舐められた。
「やっ、あのっ………痕はつけ、ないで………っ……!」
「―――――どうしようか。俺はまぁまぁイラついている。誘ってるとしか思えねぇだろ、この背中は………。」
「―――――ん、あっ………。」
背中の開きから手が差し込まれて、胸の方へと移り、そのまま強く鷲掴みにされる。
耳元で発されるその言葉は、確かに苛立ちと興奮を含んでいた。
「―――――俺しか知らねぇこの背中を晒すのか。………印、つけといてやる。」
「だ、め、です……っ!ひゃっ……ぁ………!」
「―――――なぁナナ。お前が美しすぎるせいで、勃っちまった。どうしてくれる?」
「―――――っ………ぁ、や、耳っ………!」
「嫌なら拒否しろ。」
「―――――ずるい……っ……。」
「………やめるか?」
「――――やめ、ない………。」