第48章 夜会前夜 ※
「―――――白い背中がそそるよね。」
ハンジさんの指が、私の背中を撫で上げた。思わず変な声が出る。
「――――ひゃっ………!」
「くれぐれも気を付けなよ、一番怖い狼はナナの一番側にいると思っておいたほうがいい。」
「ふふ、………はい。気を付けます。」
ドレスは決まったが、痩せてしまったからかほんの少し浮いたウエストを、お店の人に詰めてもらう依頼をした。後日、兵舎に納品されるように手配を済ませた。
「いやぁキレイだったなぁ………。リヴァイにも見せてやりた…………あ、そういえば髪は上げていくんでしょ?」
「??はい。」
「じゃあ当日までに一度髪の結い方も合わせようね。」
「はい。」
そこまで入念に準備をされるなんて、さすがだ……髪の結い方なんて適当でいいかと思っていたから驚いた。
―――――が、そこまでハンジさんは徹底して見た目に気を使うタイプではないと思ったので、ほんの少しその提案に違和感はあった。