第45章 一歩
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ナナ達が駆け出した後ろ姿を見送ってから、門が閉じられた。
「――――――いやぁ、リヴァイがナナを素直に送り出せるのか心配してたんだけど。意外に駄々をこねなくて安心したよ。」
「誰に言ってる、クソメガネ。」
「どういう風の吹き回し?ナナをエルヴィンにあげるつもり?」
「――――んなわけねぇだろ。」
「前のリヴァイはさ、閉じ込めたいだの犯したいだの、そりゃまぁ物騒なこと言っててさ。愛しているのはすごくわかるんだけど、こじらせてんなーーーって感じだったじゃん!」
「………マジで削ぐぞてめぇは。」
「―――――ナナのこと、信じるようになったんだね。」
「―――――あいつは、思ったより強くて……………俺と向き合う覚悟を決めてた。………応えなきゃ、情けねぇだろ。」
「―――――言ったろ、『彼女が側にいてくれたら、君の世界は変わる』って。」
「…………ああ………そしてお前も、俺を変えていってる一人だ。」
「………!」