第44章 The Gift for you
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甘い甘い時間の余韻を思い返しながらそっと部屋に戻り、冷たい自分のベッドの中で身を丸めた。
リヴァイさんといると、こんな真冬でも寒いと感じることなんてない。リヴァイさんも同じように、私といることで温もりを感じられていたら嬉しい。
例えば壁外調査で私が死んだら―――――リヴァイさんはこれから先、ずっと寒い夜を一人で眠ることになるのだろうか。
そう考えると、絶対に死ぬことはできないと、強く強く思った。
次の日の朝。
壁外調査の前日は慌ただしかった。
最終の装備の点検や配置の確認、当日の動きのシュミレーションも含めた会議を含め、驚くほどあっという間にその時間が過ぎ去って行く。
「――――――いよいよ明日だが、気分はどうだ?」
エルヴィン団長がコーヒーのカップを傾けながら私に問う。
「―――――緊張はしていますが、大丈夫です。」
「君を守ると、リヴァイに約束したからね。私の側を離れないでくれ。」
「はい。」
エルヴィン団長の言葉が心強い。
ドキドキと高鳴る鼓動を押さえつつ、何の話題を繋ごうかと思った時によぎったのは、ワーナーさんの書物のことだった。
「そういえばエルヴィン団長。」
「ん?」
「生きて帰れたらしたいことがあるんです。」
「おや、なんだ?」