第44章 The Gift for you
「―――――本当は壁外調査に、お前を行かしたくない。」
「………なぜ、許してくれたんですか?」
「………お前の夢の一歩になる。そして――――――エルヴィンが行くなら、お前を守り切ることはわかっている。―――――だから、俺のエゴで縛ることはしないと決めた。」
その言葉に、涙が滲んでしまう。
「リヴァイさんに縛られるのは、決して嫌じゃないです。でも――――――……。」
涙を堪えるために、どうしても言葉が詰まる。
「……私の意志を、想いを……、尊重しようとしてくれて、嬉しい………っ……。」
どうやっても堪えきれない涙が小さく目じりから零れた。指で拭ってくれたリヴァイさんと目が合う。
「必ず生きて帰れよ。死んだら―――――――殺す。」
「死んだら殺すより、ご褒美がいいです。生きて帰ったら――――――ご褒美をくれますか?」
「あ?甘ったれんな。生きて帰るのが当然だ。褒美なんてねぇよ。」
「えぇ。」
「えぇ、じゃねぇ。」
「リヴァイさんにとっては当たり前でも、私にとっては生きて帰ることも頑張らないといけないんですよ。ご褒美くらいあったって良いと思います。」
私は少し拗ねて見せた。
「………何が欲しいんだよ。」
「―――――………あの……。」
「なんだ。」
「…………て、………い……。」
「あ?」
恥ずかしくて恥ずかしくてとても真面なテンションでは言えるはずもなく、俯いてごにょごにょと言ってみたものの、全然聞こえなかったのか少し苛立った様子で聞き返されてしまった。