第4章 再会 ※
「ね……リヴァイ………キス……して……?」
「あ?」
女は肩で息をしながら、俺を見上げて口づけをねだる。
「………興味ねぇ。……俺はもう一度風呂に入る。俺が出てしばらくしたら、お前も出ろよ。同室の奴らが帰ってきてそのナリじゃ、輪姦されても文句言えねぇぞ。」
俺は自室を出た。
いつもこうだ。
女がすり寄ってきては、簡単に股を開く。
生理現象を鎮めるために、それを抱く。
いや、厳密に言うと抱いたことはない。
抱きしめたこともない。
顔を見ながらしたこともない。
ただ入れて抽送して、吐き出すだけ。
自慰と同じだ。
気だるさと、虚無感が俺を襲う。
ふと、ハンジの言葉が頭をよぎった。
『リヴァイは手が早いからなぁ……心配だなぁ』
そういえば……俺がナナに手を出す心配をしていたな。俺がナナに何をすると思ってやがる。
触れるはずがない。俺のこんな、汚ねぇ手で。
例えばエルヴィンなら、あいつを汚さずに守ることができるのか。
共に手をとり、あいつの言う自由の空へ挑むことができるのか。
では、俺のいる意味はなんだ。
俺は必要じゃなくなるのか。
「………くそっ………。」
自問自答の末、やり場のない想いを拳にこめて、壁に打ち付けた。