第43章 The Gifts 4 Levi ※
「……ありがとうございました。」
歌い終えて礼をすると、リヴァイさんが目を開いた。
「―――――美しかった。」
「……嬉しいです。」
「どういう意味だ?その歌は。」
「神の福音―――――なんて美しい響きだろうか。私たちを救い、導いてくれる。見失って、なにも見えなくなったとしても、また見つけ出せる――――――そんな詞です。」
「俺は神なんて信じねぇが。」
「ですよね。」
私はくすっと笑った。
「お前の信じるものなら信じられる。」
―――――ズルい。
この人は、生粋の女たらしだと思う。
この人にこんなことを言われて、恋に落ちない女性はいない。
赤面して何も言えず俯いていると、執務室の時計が0時を指した。
「あ………!」
私はリヴァイさんの首に両手を回してギュッと抱きしめて、心からのお祝いの言葉を贈った。
「お誕生日おめでとうございます、リヴァイさん。」
「―――――ああ。ありがとうな。」
「生まれて来てくれて、こうして今日を私と過ごしてくれて―――――嬉しい。」
「―――――………。」
リヴァイさんは黙って私の身体をきゅっと抱きしめ返した。
私はリヴァイさんの頬に手を添えて、柔らかくその唇にキスをした。