第43章 The Gifts 4 Levi ※
「いっ………意地悪しないでください……っ!!!」
「あははははは!!!」
顔が真っ赤になっていたと思う。私は声を荒げてエルヴィン団長に物申した。
口元に手を当てて、引きずる笑いをなんとか堪えようとしているエルヴィン団長を睨む。
「あぁ―――――――、本当に君は、飽きない。」
涙目になったエルヴィン団長が、くくく、と小さく笑いながら私を見上げた。
「私で遊ばないで下さいと、前にも言いました!」
「遊んでないと前にも言ったぞ?本気だと。」
「信用なりません。」
私ははっきりと顔をフイッと背けて反抗の意志を示した。
「それは残念だ。君をリヴァイの部屋に行かせたくなくて足掻いているこの健気な様子を見ても信じてくれないのか?」
「―――――全然健気に見えないので。」
「……悪かったよ、機嫌を直してくれ。お詫びに――――――残りの執務はいい。行きなさい。色々と準備があるんだろう?」
エルヴィン団長はちらりと私の指先に目をやった。私は慌てて身体の後ろに両手を隠したけれど、どうせ全部お見通しだ。
「――――……いいの、ですか………?」
弱弱しく目線を上げてエルヴィン団長が本意かどうか確かめる。その顔は少し寂し気ではありながらも、優しい笑みをもって私を見つめている。
「ああ。それと伝言を頼む。『誕生日おめでとう』と。―――――まぁ、私に祝われても喜ばないと思うが。」
「はい、必ず伝えます。ありがとうございます…!」
その言葉に思わず笑いながら、エルヴィン団長に御礼を述べた。
その声はいつになく弾んでいて、自分の単純さが少し恥ずかしくなる。
私は大きく礼をして、団長室を出た。