第43章 The Gifts 4 Levi ※
リヴァイ兵士長の部屋のドアをノックする。入室の許可をする低い声が聞こえて、私はドキドキと高鳴る胸を押さえて部屋に入った。
「―――――なんだ、その大荷物は。」
「お祝いがしたくて……!」
日が変わるまであと1時間弱。
私は持参したバスケットから、お皿とスプーンを取り出して机に並べた。
「―――――もしお腹いっぱいだったら、無理にとは言わないのですが……。」
「いや、今日は飯を食いそびれたからな……腹は減ってる。」
「良かった!」
リヴァイさんの手を引いて、ソファに座るように促す。
リヴァイさんの目の前に、小ぶりな鍋と少しのパンを置いた。鍋の蓋を開けると、白い湯気とともに香しい香りが立ち上る。
「これは――――――。」
「シチューです。あの……お母様の思い出の味には到底及ばないとは、思うのですが……好きだったって言ってたから……作ってみました。」
「…………。」
「食べますか?」
「………ああ。」
リヴァイさんの器にシチューを取り分けてスプーンをさして手渡し、隣に座った。
「どうぞ。」
リヴァイさんは黙ったまま、スプーンを持って一口シチューを口に運んだ。
美味しくなかったら、どうしよう……、そんな不安を抱えながら、リヴァイさんの表情を一つも見逃さないように食い入るように見つめる。
「……………。」
「…………美味しくない、ですか……?!」
あまりに反応がないので、思わず聞いてしまった。