第42章 急場
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あの幹部会から二日後、壁外調査の実施要項とメンバーが掲示された。
サッシュさんとリンファは共に手をとって喜び、私の名前を見つけて大丈夫なのかと詰め寄ってきた。
心配も嬉しかったが、私は初めて壁外調査で何かの役に立てるかもしれないことが嬉しいと伝えると、2人からガシガシと頭を撫でられた。
同じ場所で戦い、2人の役に立ちたい―――――――ぼんやりとしていたイメージが、少しずつ輪郭がくっきりとしていく。
訓練にも自ずと身が入り、少しでも足を引っ張らないように、毎日の終了後にもトレーニングを増やした。
壁外調査までは少しの期間しかなく、大きな効果は得られないかもしれないけれど、とにかく出来ることは全てやっておきたい。
その日も走り込みを終えて、真冬にも関わらず額に滲んだ汗を手で拭ってふっと息をつくと、後ろから頭にふわふわのタオルがかけられた。
「――――――えっ………!」
「身体を冷やすな。―――――それでなくてもお前の身体は冷たいからな。」
リヴァイさんだ。
リヴァイさんは訓練で汗一つかかないから―――――――わざわざ私のためにタオルを持ってきてくれたのかと思うと頬が熱を持つ。
「ありがとうございます。」
「――――――いい心がけだ。せいぜい死なないように、出来る限りのことはやっておけよ。」
「はい!」
タオルに頬を寄せると、リヴァイさんの匂いがして胸の奥がきゅっと苦しくなる感じが心地よい。