第41章 心奥 ※
「あの――――――、翼の、ネックレスのこと……なのですが………。」
「あぁ、エルヴィンに貰ったんだろ。」
「知って……たのですか………。」
「――――推測に過ぎなかったがな。」
私は観念して、全てを話した。
「『君と共に生きたい』そう、言われて―――――あのネックレスを贈ってくださいました。気持ちを受け取っていないのに、贈り物を受け取って……少しとはいえ身に着けた私が、良くなかったんです。お詫びをして、エルヴィン団長にお返ししました。」
「―――――あいつは貴重な男だぞ。」
「………え?」
リヴァイさんは不機嫌になるのかと思いきや、思いもしない反応だった。
「あいつと共に生きることを決めても、俺はお前を責めない。」
「………それは、どういう………。」
「―――――悔しいがエルヴィン・スミスという男は信頼に足る男だ。惹かれても無理はない。だから、自分の気持ちに正直でいろ。」
リヴァイさんの自暴自棄でもなく、自分を卑下しているわけでもなく、ただしっかりと放たれたその言葉は説得力がありすぎて、ずっしりと重く私の中に入り込んだ。
「あいつはお前に惚れてる。俺が知る限り、あいつがこんなに女に入れ込む様子は見た事がない。本気でお前を落としに来る。心しとけよ。」
「は、はい………。」
「もしあいつに惹かれたとして―――――、俺を気遣って、俺が可哀想だから、なんて理由で俺の側にいるのだけはやめろ。それだけは許さない。お前が自分で悔いのない選択をするなら、俺はそれを受け入れる。―――――それが、俺なりの愛し方だ。」
エルヴィン団長が私がすでに彼に惹かれる算段が付いているかのような事を言っていた。
そしてリヴァイさんまでも、そうなることを予想しているかのように言う。
彼らの中で何があったのだろうか―――――――。
私の中で仄かに不安の火が灯った。