第41章 心奥 ※
「―――――そういえばこれ、どうしたんだ。」
リヴァイさんが、私が投げつけたクラバットを手に取り出した。その血の染みのことを言っているんだろう。
「あ、そうなんです……今日は、返しに来たんじゃなくて……これを汚してしまったことを謝りたかったんです………。」
私はロイが刺された時に応急処置に使った事を話した。
「―――――ごめんなさい、すごく洗ったんですが……とれなくて……。」
「―――――もともとお前にやった物だ。気にしてない。髪に結わなくなったのも、これが理由か?」
やっぱり気にしていたんだ。
申し訳ないことをしたなと思いながら、胸の内を話した。
「それも、あるんですが―――――、リヴァイさんに心身ともに頼り切って依存していたことに気付いて………もっと自立しようと自分を戒めるために―――――結ぶのを止めたんです。心の支えは形として身につけなくても、リヴァイさんという存在が私の中には――――いてくれるので。」
私が微笑むと、リヴァイさんは少し安心したような表情を見せた。
「―――――そうか。」
「ごめんなさい、嫌な気持ちにさせましたか?」
「――――いや、お前じゃなくてな………。お前がそれを外したことで、周りから『別れたのか』だの『喧嘩したのか』だのうるさくてな………。」
「あぁ………、それは………ごめんなさい………。」