第41章 心奥 ※
「――――――忘れられるわけ、ない――――――………。あの頃のことも、調査兵団に来てからの今までのことも………っ………。」
私は泣きながら、ぐしゃくしゃになりながらも思いの丈をちゃんと伝えると自分を鼓舞しながら、気の利いた言葉も選べないまま心のままに声にした。
「愛せなくなったからこの関係が終わりだって言うなら……っ……、受け入れる……、また愛してもらえるように、頑張るから………っ……!でも、私のためみたいな言い方で、曖昧に私を遠ざけようとするのは………っ……嫌だ………!」
私の言葉に、リヴァイさんは驚きと共に少しの戸惑いを見せた。そして私の投げつけたクラバットを握って言った。
「――――待て、お前は今日、これを返しに来たんじゃねぇのか……?ただの兵士長と兵士に、戻るために………。」
「――――違い、ます……っ……。」
「―――――俺はお前に愛想を尽かされるようなことを、したはずだ………。」
「…………。」
「お前の気持ちも考えず――――――私欲だけでお前を滅茶苦茶にしておいて―――――愛しているから赦してくれなんて、言えねぇよ……。」
彼の低い声が、ほんの少し震えている。
リヴァイさんは怖いんだ。私に嫌われることが。
私がここしばらくクラバットを結ばなかったこと、話しかけなかったことも原因の一つかもしれない。
「―――――私からこの関係を終わりにされるのが怖くて、嫌いだと言われることが怖くて、最もらしい理由で私を遠ざけようとしたんですか。」
「―――――――………っ………。」
リヴァイさんはほんの少し目を見開いて、目元を片手で覆って俯いた。
「――――――そうだ。」
「―――――卑怯です。」
まっすぐにリヴァイさんを見て言ったその言葉は、目も合わないまま肯定された。