第41章 心奥 ※
リヴァイさんが私を愛せなくなったらちゃんと諦めると、言ったのは私だ。もし今夜それが現実になったとしたら――――――私はどうするのだろう。
そんな恐怖を掻き消すように補佐の仕事に没頭していると、その時間はすぐにやってきた。
私はリヴァイさんのクラバットを持って、リヴァイさんの執務室を訪れた。
すでにもう今日が終わろうとしている中、2人分の紅茶を淹れ、ソファに向かい合って座る。
いつもは隣に座るのに、相対しているこの距離感が妙にシリアスだ。
「……………。」
「……………。」
黙って紅茶をすするリヴァイさんをちらりと見上げると、目の下の隈が濃くなっているように思う。
眠れていないのだろうか、多忙なのか……心配をして見つめると、その視線が上げられた瞬間に目が合った。
私の身体はビクッと反応し、目を逸らしてしまった。
「―――――怖がるなよ。……なにも、しねぇよ。」
「………ご、ごめんなさい……。」
また沈黙が続く。
しばらくの静寂の中、切り出したのはリヴァイさんだった。
「――――――あれから、身体は平気か。」
「……はい、大丈夫です。」
「――――そうか………本当に……無理をさせた。………悪かった………。」
「…………。」
リヴァイさんが小さく謝罪の言葉を口にして、カップを置いた。