第40章 甘露
それからまた訓練場を回って、色んな人とたくさん話をした。
そうこうしている間に、エルヴィン団長と約束していた四時が近くなっていたことに気付き、団長室に赴いた。
扉をノックしてから扉を開けた。
「――――失礼しま………!!!!」
思わず目を見開くと、そこにいたのはまた会いたかった人たちだ。
「モブリットさん!!!!ゲルガーさん!!!!グンタさん!!!!!」
私は団長室だということも忘れて、はしゃいで3人に駆け寄った。
「ナナさん、またお会いできて光栄です。」
「よぉナナ、王都から戻ったばかりなんだって?」
「ナナさん、また会えて嬉しいっす!」
「皆さん、なんでここに………!」
エルヴィン団長の前だということに気付き、ハッとして姿勢を正す。でもエルヴィン団長は、にこやかに笑みをたたえていた。
「今ちょうど手続きを終えたところでね。」
「手続き?」
「奪還作戦を終えて、正式に打診したんだ。調査兵団に来ないかと。彼らは快く受け入れてくれて、年が明けたら正式に入団する。」
「本当ですか!!」
私は目を輝かせていたと思う。
一般兵であっても、短い期間であっても心を通わせることができた彼らが仲間になる。
こんなに嬉しいことはない。
「皆さんと一緒に戦えることが嬉しいです………!改めて、宜しくお願い致します……!」
大きく頭を下げると、3人は嬉しそうに笑ってくれた。
ほくほくとした気持ちで思わず顔が綻ぶ。
用事が済んだのか、それからすぐに3人は団長室を出た。
今度は自由の翼を背負った彼らに会える。それが嬉しい。
そんな風にワクワクする私を見て、エルヴィン団長が一言笑いながら言った。