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【進撃の巨人】片翼のきみと

第39章 認容




「―――――ごめんナナ、あんたの弟にこんな事言うの、ダメだって分かってるけど………!」

「…………。」

「――――――許せない。クソ野郎………!」



リンファは涙を流した。

私の巻き添えで、こんな負の感情を抱かせてしまって申し訳なく思う。けれど、リンファが私の為に怒ってくれることが、少し、嬉しかった。



「………リンファ、ありがとう……。でもね、そんなにも弟が壊れてしまうほど、私たちは彼を追い込んでいたの………だから、もう、いいの。」

「―――――リヴァイ兵長は、知ってるの………?」



リンファの口から彼の名前が出るだけで、びくっと身体が反応する。



「リヴァイさん以外の人に抱かれたことは―――――――すぐに、バレちゃった。………弟だとは、死んでも、言わないけど………。それがバレたら、軽蔑されたら、って……思うと、息も満足にできなくなる――――――………。」

「………知られたくない、よね。痛いくらい、わかる………。」



リンファは自身の想いを重ねるようにして呟いた。



「――――でも、言わせてもらうけど、ナナ。」

「…………?」

「思い込みで自分を追いつめるのはやめよう。」

「…………思い込み、で……?」



リンファはまっすぐに私の目を見て、手を握ってくれた。







「リヴァイ兵長が、言ったの?あんたが他の誰かに抱かれたら、愛想を尽かすって。弟に抱かれるなんて、ありえない、愛せないって。」






私は思い返しながら、首を小さく横に振った。リンファの言葉にハッとする。

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