第39章 認容
「―――――悪かった、ナナ。」
「…………。」
「………お前に酷い事をした。赦せとも言わない。せめて、大丈夫かどうか………教えてくれ。自分のせいなのは分かってるが……心配でたまらねぇ。」
リヴァイさんの問に、小さく答える。
「――――――痛い、苦しい…………。」
「…………そう、か………。……悪い………。見せろよ、こっち向いてくれ……。」
もう一度肩を掴まれ、少し力を込められるが、私は頑なに拒否をした。
「――――どこが、痛むんだ。」
「…………。」
「――――ナナ………。」
「―――――――心が痛い、苦しい…………。」
「………心……?」
「―――――リヴァイさんを傷付けて、怒らせて、―――――失望させたかもしれない……っ……、もう、いらないと言われるかもしれない、そう思うだけで――――――息が、できない………っ………!」
「…………ナナ………。」
「………もっと、強くて、自分を守れたら良かった………!もっと、上手に嘘がつけたら良かった……、そしたら―――――――リヴァイさんに、背中を向けられることも、なかったのに―――――――――」
自分でも何を言っているのか分からない。
もう支離滅裂だ。
全ては私のせいなのに、背中を向けられたことに恨み言を言ってしまった。
でも泣きながらそれを伝えた途端、私はシーツを纏ったまま無理矢理抱き起され、背中越しに熱い腕に強く強く抱きしめられていた。
「―――――一人で強くならなくていい。嘘なんて、上手くならなくていい。」
「……………。」
その言葉に、また涙が滲む。
涙腺が決壊したのかと思うほど、とめどなく涙が零れ出る。
「―――――お前の事を全て知りたくて止められなかった………俺が愚かすぎただけだ……。言いたくないことの1つや2つ、あって当然なのにな。」
「…………っ………。」
「―――――お前を壊しそうな自分が、俺は怖い―――――――。」