第38章 愛欲 ※
「――――――言えねぇようなことか。」
「……………。」
「――――――翼のネックレスが関係しているのか?」
「―――――――っ………。」
ビクッと身体を震わせてしまった。
それは、確かに心配をさせたくなくてリヴァイさんには言っていなかった。
でも――――――私が最も隠したいことは別にある。
「………お前に、想う奴が他にいるなら――――――。」
「違う!!」
私は思わず、リヴァイさんの言葉を強く打ち消した。
「―――――違い、ます……!私はリヴァイさんが……リヴァイさんだけが………。」
私の頭は混乱して、言葉が続かない。
ネックレスのことを、何をどこまで知っているのか。それもわからない。
エルヴィン団長のことも話せない、でも、下手な事を言って、もしロイとのことがバレたら―――――――今度こそ、リヴァイさんは私を軽蔑する。
潔癖ともいえるほどの彼にとって、姉弟での交わりなど理解しがたいに決まってる。ロイのことも、きっと許さない。
「―――――何を怖がる。吐けよ、全部。」
「………嫌です………!」
「あ?」
「お願いだから、聞かないで………っ、リヴァイさんに、私は逆らえない―――――でも、嫌です、言いたくない、聞かないで、お願い………!」
「―――――お前が何を怖がっているのか知らねぇが、苦しいなにかがあるなら一緒に背負ってやる。―――――頼れよ、俺をもっと。」
「…………。」
「――――――俺じゃ、駄目なのか。」
「……違う……!………ただ、………嫌われたく、ない………。」