第4章 再会 ※
俺がフロアに戻ろうとした時、エルヴィンがナナを抱えてテラスに出てきた。
「あちゃー、やっぱりそうなったか!」
ハンジはケラケラと笑い飛ばす。
エルヴィンに軽々と抱えられたナナの頬は紅く上気していて、呼吸が早い。言わんこっちゃねぇ。ガキが酒をあおると、こうなるに決まってる。
「おいリヴァイ、ハンジ。こんな年端もいかない女性に酒を飲ませるなど、感心しないな。」
「………そいつが勝手に飲んだんだよ。ハンジの酒を奪いとってな。」
「さて、でもどうしよっか?付き添いはいないようだし、ここももうお開きだ。ねぇリヴァイ、この子王都に住んでるの?」
「いや……今はシガンシナ区に住んでいると言っていた。」
「……オーウェンズ病院に連れて行けば、父上がいらっしゃるのではないか?」
エルヴィンが提案する。が、俺は反対だった。
こいつの過去から、父親とうまくいっていないことはわかっていた。こんな状態で父親のところに連れていけば、またその関係性は悪くなるに決まっている。
「……そこにいたくなくて、シガンシナ区にいるんだろう………。俺は反対だな。」
「そうだよ!しかも、我々調査兵団がお宅の令嬢を飲ませて潰しましたなんて、言える?!」
「……確かにそうだな。無駄に王都での評判を下げたくはない。」
「とはいえ、この子がどこに宿を取ってるかも、わからないしね………。」