第38章 愛欲 ※
「―――――――綺麗な私しか、見せたく……ない………。」
「―――――なら問題ない。お前はいつも…………例え何があっても、綺麗だ。」
リヴァイさんは私の手をとり、手の甲にキスをした。
まるでこの場所にそぐわない、紳士的な振る舞いで。
―――――あなたは優しくて、どこまでもずるい。
私が欲しかった言葉をいとも簡単に与えてくれる。私は鼻がツンと痛み、その後に滲む涙を堪えた。リヴァイさんが言った言葉が、そういう意味じゃないことは分かってる。
けれど、それでも嬉しかった。
やがて背中越しにリヴァイさんに後ろから両手で胸の形を変えられ、首筋を食まれると、吐息が漏れ出てしまう。
「―――――ぁ………っ………。」
「声、抑えるなよ。お前の鳴き声を存分に聞きたい。」
そう言うと、既に固くなった胸の頂を指で転がすようにつままれ、彼の望む通りの煽情的な声をあげてしまう。
「………やっ………ぁ………兵士……長……っ………!」
「――――――なんだその兵士長ってのは。新しい試みか?」
「―――――任務、なので。」
「ほう。―――――なかなかそそるな。」
嫌味のつもりで言ったのだが――――――リヴァイさんは微かに口角を上げた。
なにやらお気に召してしまったようで、血の気が引いた。