第38章 愛欲 ※
「…………っ………ナナ…………っ………!」
リヴァイさんの息がこんなに早く弾むなんて、今までになかった。
私の脚の間に片足を割り込み、時折ごり、と擦りつけられるそれは、服の上からでもわかるほどに怒張している。
リヴァイさんの興奮がいつもに増していることが嬉しい、けれど、ロイとのことをバレないように振る舞わなくてはならないことだけが私の思考を支配していた。
それがすでに、彼に違和感を抱かせていたなんてことに、気付きもせずに。
やっと唇を解放されたかと思った矢先にまた塞がれ、やがてリヴァイさんの手が私の太ももに沿わされる。
撫で上げるようにスカートをたくし上げて、私のお尻を掴んだ。
「………んっ………やっ……………!」
力強い手でお尻を掴まれ、唇から耳、首筋を食べられてしまうんじゃないかと思うほど、リヴァイさんは執拗に舐め、噛み、跡をつけた。
リヴァイさんの息が、荒い。
その吐息が耳にかかるだけで、私は身体が震えてしまう。
やがて背中に回された手が器用に私のワンピースの背中のファスナーを探し出し、乱暴に一気に引き下げられる。
衣服は私の身体から浮き、現れた肌にまたリヴァイさんは舌を這わせる。
「ぁ…………リヴァ、イさ………っ………!」
衣服の意味を成さなくなり、ワンピースはストン、と私の足元に落ちた。
と同時に身体が浮いて、私は抱きかかえられてベッドに運ばれた。
そのベッドの天蓋はまるで檻のように見え、心身共に堕ちるまで抱かれるのかと、ゾクリとする。
ベッドの中央に私を降ろすと、リヴァイさんが呟いた。
「――――――品のねぇ色だな。だが―――――」
私は少しでも身体を隠したくて、リヴァイさんが品がないと言った真紅のシーツを身体に纏う。
「欲を増幅させるには、効果的な色だ。」