第37章 哀悼
「取っ手を持たずにカップの口を持つのって、それが関係しているんですか?」
「……………。」
「いつも不思議に思っていて。……私はあの持ち方がとても、好きなんですけど。」
俺のカップの持ち方はいつから今のようになった?さすがに思い出せねぇが、思い出せねぇほど昔からなんだということはわかる。
「………そんなわけあるか……と……思ったが………そうかもしれねぇ………。」
「――――――リヴァイさんのルーツを少し知れて、嬉しいです。」
ナナはまた、笑った。
「こんな下らないことでもか?」
「はい。だって、リヴァイさんは私の子供の頃を知っているのに、私は知らないなんて不公平じゃないですか。もっと聞きたいくらいです。」
その言葉に、俺の我慢してきた欲が好機だと囁いた。
付け込むなら、今だと。
「―――――そういえば色々思い出してきたな。」
「本当ですか?たくさん話してください!」
「――――――話してやるよ。このあとベッドの中で、たっぷりと。」
ナナはピクッと肩を震わせ、頬を染めて目を開いた。
逃げられないようにナナの腰を抱き、その唇を食らおうとすると、ナナはわずかに抵抗した。
「あ、のっ………ちょっ……お母様が空から見てる、かもしれないですし……!」
「――――空から見てるんなら、これまでのお前の痴態も見られてんだろうが。もう遅い。」
「そんな……っ――――――――ん…………。」