第37章 哀悼
私はリヴァイさんの言う通り、戸棚の奥から、ボロボロの布が巻かれた書物をいくつか取り出した。
そこに、今まで見せてもらったことのない、小さなノートが挟まっている。
「日記………?」
パラパラとページをめくると、その日記にはワーナーさんがかつて外の世界のことを一緒に追っていた人物などの名前も書かれていた。
これは機密事項だ――――――下手すれば、この人達は捕まって刑罰を受けることになる。小さなノートにも関わらず、ずっしりと重みを感じるようだった。
「―――――――この名前、どこかで――――――………。」
ある人物の名前に目を止めたとき、ノートから2枚の封筒がひらり、と舞い落ちた。
「……?」
その封筒には、“リヴァイへ”そして、“エイルへ”と書かれていた。
「リヴァイさん、これ………!」
手紙を渡すとリヴァイさんはすぐに中を開き、一読した。
そして、小さく一言呟いた。
「……あぁ、了解だ。じじぃ。」
私も手紙を開けると、そこには私が医師になったことを知って、誇らしく思うということ、おそらくもう会えないけれど、これを見つけたら書物とこの日記の書かれたノートは私に持っていて欲しいということなどが書かれていた。
最後の一文には、リヴァイさんのことも。
私とリヴァイさんが一緒にいることを、まるで予知でもしてたみたいに。
「―――――うん。わかった。外の世界に行くときは、私がこの本を持って―――――ワーナーさんも連れて行く。―――――ありがとう、ワーナーさん。」
私はワーナーさんの忘れ形見の本たちを強く抱きしめた。