第37章 哀悼
「………ワーナーさん………私、医者になったよ……。そして………調査兵団に、入ったの………。今まで家族以外のつながりを知らなかった私に、大切な人たちが………っ……いっぱい、できたよ………っ………!」
涙を堪えきれなかった。
ぼろぼろと泣きながら、魂だけでもそこにいてくれたらいいと微かな望みを持って、嗚咽交じりに語りかける。
「………ワーナーさんが……っ………出会わせてくれた、リヴァイさんは………っ………、今、私の世界一大好きな人に……っ……なったの………っ………!」
リヴァイさんが、私を背中からそっと抱きしめてくれた。
その体温と鼓動が、命を感じさせる。
もう、触れることもこの目に映すこともできないワーナーさんの死を、リヴァイさんの温もりを頼りに受け入れる方法を探す。
「………会いたいよ………っ………!」
思わずうわぁぁ、と声を上げて泣いた私を振り向かせて、リヴァイさんは強くその胸に抱きしめ、私が落ち着くまでずっと私の髪を撫でてくれた。
「――――受け入れることができるまで、泣けばいい。」
泣いて泣いて泣いて、ほんの少し落ち着いて顔を上げると、リヴァイさんは私の目じりにキスをして涙を舐めとった。
「………あり、がとうございます……もう、大丈夫……です。」
「―――――そうか。」
「…………。」
鼻をすすってリヴァイさんの腕を離れると、リヴァイさんが言った。
「………いつも見ていた書物を持ち帰るか?確か―――――戸棚の奥に……。」