第36章 抱擁
「やれやれ、言えだのやめろだの、お前は本当に難しいな。」
はは、と乾いた笑いを俺達に向け、その深い蒼でまた俺達を捕らえる。
「――――――分かっていると思うが、このことは、内密に。」
「当たり前だ。こんな不確実で気持ち悪ぃ情報流せるかよ。班の奴らにも口止め済みだ。」
「助かる。」
「――――――言っておくが、俺はお前を完全に信用しちゃいねぇぞ。」
「――――――それは怖いな。突然項を削がれないように、気を付けておくよ。」
「―――――――。」
「……………。」
沈黙が流れる。
「話は終わりだ。行くぞ、ハンジ。」
「あ、ああ………。」
「―――――そうだリヴァイ。ナナを迎えに行く約束だが、こうも区間の往来を禁じられてしまってはさすがに身動きがとれないが――――――。」
「この制約が解除され次第、迎えに行く。これは決定事項だ。誰が何と言おうと連れ戻す。」
「ああわかった、約束だからな。」