第4章 再会 ※
リヴァイさんは、不機嫌な顔を見せた。
「バカ言え。お前に何ができる。」
「今はまだ、何も。でも、壁の中に閉じこもっているだけでは、私の夢は叶えられない。だから行きたい。私の武器は、医療は、きっと調査兵団にも役に立つと思っているんです。」
「外に出たところで、巨人に食われて終わりだ。」
リヴァイさんから、怒りと苛立ちを含めた感情が放たれる。空気が、ピリッと張った。
「訓練だって受けます!そんな簡単には………!」
「死ぬんだよ!!!!!」
リヴァイさんの初めて聞いた、叫びのような声。
「簡単に………あっけなく………死ぬ。」
「……………。」
リヴァイさんは、テラスのベンチに腰を掛け、ゆっくりと話し出した。
「お前に想像できるか?むせ返るような血の匂いと、原型を留めない死体。腕や足、頭が無造作に散らかった中で、生きたまま食われる仲間の姿を。」
「………っ………!」
ああ、彼が話したくない、と言った辛い過去を、私が引きずり出してしまった。
「死ぬ直前、俺を思ったかもしれねぇ……『助けて』『なぜ置いていった』『死にたくない』『助けて』って………俺は………何も、守れなかった……!あいつら、たった二人の命さえも!!!」
どれほど、大切な人たちだったんだろう。
それを目の前で失ったのか。
ただただ、涙が溢れる。
「………なぜ、お前が泣く。」
リヴァイさんが鋭い眼で私を見上げる。
「………リヴァイさんが、泣かないから………。」