第4章 再会 ※
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何から話せばいいのか。
ずっと会いたかったその人は、思い出の中の彼と全く変わらない。すこし、目の下の隈が濃くなった気がする。周りに一切気を許さないような、そんな空気を纏っている。
色んな事を考えていると、リヴァイさんが口を開いた。
「エイル。……いや、ナナだったか?」
「はい………私の本当の名は、ナナ・オーウェンズと言います。エイルは、ワーナーさんが地下街にいるときは本名を名乗ってはいけないと、私につけてくれた名です。」
「そうか……。」
「あの………リヴァイさんは、調査兵になったのですか………?」
「ああ……。」
「壁の……外にも行かれたのですか……?」
「………………。」
「リヴァイさん………?」
黙って俯くリヴァイさんを、下から見上げた。
「行った。だが、その話はしたくねぇ。」
「そう……ですか………。」
私はしゅんと肩を落とした。
「それより、お前はどうしてたんだ。王都でぬくぬくと育ったようだが?」
「………夢を叶えるために、翼を得るために、医学を必死で学びました。今は、シガンシナ区の病院に住み込みで働いています。」
「そうか。」
「私………今の病院で経験を積んで、来年には……医療班として調査兵団に入ることができないかと思っているんです。今日は……運よくエルヴィン副団長にもお会いできましたし……エルヴィン副団長も、私と似た夢を持っていらっしゃると聞きましたから。掛け合ってみる価値はあるかなと。」