第34章 奇行
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「なんなの、どういうこと……っ?!」
「――――ちっ、知らねえよ。ただ……拘束具が破壊された以上、この作戦は続行不可能だ。ここにいる4体を討伐して帰還する。いいな、ハンジ。」
「―――――わかった。」
混乱を隠せないハンジに作戦の終了を告げ、俺達を追って来た1体を他の奴らから引き離すためにしばらく走る。
「―――――大丈夫だとは思うが、早く片付けてあいつらのところへ戻る。―――――やるぞ。」
「おうよ!!」
俺達を追って来たのはのろまな中型だ。
8mと言ったところか。特におかしな行動もない。
一見普通の通常種に見えるが――――――なぜこいつは、ジャックを逃がそうとした……?仲間意識…?いや、そんなもの今まで一度たりとも見たことがねぇ。
「なぁ―――――――――なんなんだよ、お前らは一体―――――――。」
アンカーを巨人の体に差し、手足を狙うことなく背中からかけ上がり直接項を削ぐ。
「いや、さすが人類最強。じゃ、戻ろう!あの子達が心配だ。」
「―――――ああ。」
馬を駆って元の場所に戻ると、少し離れた場所でそれぞれ戦闘しているのが見える。
エルドとリンファはすでに巨人の機動力を奪っていて問題ない。
サッシュとオルオ、オリバーとロキ・ディータは2体の巨人と混戦状態だ。
こういう時に想定外の事が起きやすい。
俺はすぐに援護に向かった。