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【進撃の巨人】片翼のきみと

第34章 奇行




「―――――くそっ、ジャックの動きがそこそこ速ぇな……!オリバー、ロキ!こいつは手を封じなきゃダメだ!腕から落とす!」



ディータが指示を出しながら3人でジャックを狙う。

オリバーが指示を受けて腕を狙って攻撃を仕掛けたが、ジャックの長い腕によって吹き飛ばされた。



「―――――ぅぐっっっ…………!」

「オリバー!!」

「オリバーさん!!」

「おい、よそ見すんじゃねぇオルオ!今はこいつをやることに集中しろ!!」



オルオの集中力をサッシュが引き戻し、項に切りかかる。

サッシュはやる奴だ。

手出しをせずにその様子を見ていると、巨人がサッシュを掴もうとする手も滑らかに交わしながら、両目に斬撃を入れた。



「やれ、オルオ!!!」

「はいっ!!!」



サッシュのアシストにより、オルオが初の討伐を果たした。

巨人がその場に崩れ落ちる。




―――――残るは、ジャックだ。




今度は、殺す。




その殺意を込めて近づいた途端、俺が項を狙った時と同じようにピクッと動きが止まったかと思うと、俺達に背を向けて走って逃げ去った。



「――――――逃げた………?」

「―――――なんだ、今日の……こいつらは………。」




オリバーの怪我も大したことはなく、俺たちはそのまま帰路についた。

道中に転がる大量の死体や元人間だった部位。そこに白銀の髪の女と、翼の紋章を着た死体がないことを横目でみて少しホッとする。



むせ返る血と死臭の中で、今回のジャックとその他の巨人の異常な行動が余計に俺たちの中に言い知れぬ不安を渦巻かせた。


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