第34章 奇行
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小休憩の間に、サッシュさんに話しかけようと様子を伺っていると、サッシュさんが誰かを見つめていることに気が付いた。視線の先は―――――エルドさんと話しながら笑う、リンファさんだ。あぁ、確かサッシュさんとリンファさんは同郷なんだと言っていた。
「サッシュさん。」
「あ?クソ天パ、なんだよ。」
「その呼び方やめてくださいよ。」
「――――――リヴァイ兵長、すげぇだろ。」
サッシュさんがなぜか少し誇らしげにふふんと笑って言う。
「すごすぎますよ!!」
「――――俺も何度か壁外調査でリヴァイ兵長を見てるが……個人の戦闘能力だけじゃねぇんだ。なんて言うか――――――、悔しいけど、あの人がいると大丈夫だと思うんだよな。人を使うのがうまいし、状況判断力とカリスマ性が群を抜いてる。」
「―――――かっこいいっすね。」
「―――――だからまぁ、ナナを任せてやってもいいっつーか………。」
「いや、どこから何様目線なんすかその発言。」
またサッシュさんにヘッドロックを食らわせられる。
「いや、それにしてもこの変な任務も無事終えられそうで―――――――。」
サッシュさんが言いかけたその時。
「―――――大変です、巨人が5体っ………!こっちに……っ!!!!」
見張りをしていたオリバーさんの震えるような声が響いた。