第34章 奇行
「ひゃっほぉぉぉおお!!さっすがリヴァイ!!瞬殺だね!!いや、殺してないけど!」
「――――――すげ………。」
「なんだよ、あの反射速度………。」
「あの一瞬で今両手両足落としたのか……?速すぎて見えねぇよ……。」
「―――――さすが。」
「――――――すっ……………。」
巨人の手足からは赤い体液が吹き出し、すぐに蒸発していく。
「おいハンジ、こいつは奇行種なのか?」
「もう見た事ないタイプの奇行種だよ!!!最初は違うかもって思ったんだけど………オルオを食う事より、自分の保身を優先したよね……?!エルヴィンが言ってた、知性があるかもしれない!!!くぅぅううう!!!素晴らしいよ!!!」
興奮して鼻息を荒くするハンジを後ろに、地面に伏したまま呆然と俺を見上げるオルオに声をかける。
「――――――おい。大丈夫か。」
「――――――………。」
「――――――なんだ、チビってんじゃねぇだろうな。」
「―――――っっっげぇっす!!」
「……あ?」
オルオは目を輝かして興奮絶頂の様子で急いで立ち上がり、俺に駆け寄ってきた。
「すごすぎます、何ですかあの瞬間的に四方向に斬撃入れるの、どうやったらできるんですか……!?立体機動も無駄がないのに勢いが斬撃に乗ってて……っ……!」
「興奮すんな暑苦しい。怪我してねぇならそれでいい。ワイヤーの動作はちゃんと確認しとけよ。破損してたらすぐに替えろ。命取りになる。」
身振り手振りで興奮気味に話すオルオに背を向ける。