第34章 奇行
まずそいつが奇行種かどうか確かめるべく、ディータとリンファに距離を取ってわざと視界に入るように指揮をする。
もし追われた時に、経験値と状況判断に優れたディータと、立体機動の扱いが優れたリンファなら抜けられる。
後ろからあいつの動きを止めるのは戦闘力に長けたエルドとサッシュとオリバー、捕獲はハンジとロキで対応する。
俺とオルオは辺りの警戒を強める。
作戦の大枠を伝えただけで、こいつらはすぐに理解し、連携を取って考えて動く。頼もしい奴らだ。
「行くか、リンファ。」
「はいっ!」
ディータとリンファが馬で駆けだす。
奴の前30mほどの距離をとって視界に入る。その目が2人を捕らえると、全速力で追いだした。
―――――奇行種じゃねぇのか………?
「――――リンファ!!急旋回!!」
「はいっ!!」
2人は方向を変え、エルド達のいる方向に向いて走り始める。奴も向きを変え、2人を追おうとしたがその時に目に入ったのか、俺とオルオへ標的を変えて走り始めた。
「なっ?!」
「標的を変えた!!」
エルド、サッシュ、オリバーが援護しようと馬で駆けて来るのを、奴越しに確認できた。