第34章 奇行
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夜は更け、空に太陽が昇り始めた。
俺たちは翼を配した緑のマントを翻して、駆け出した。
この近辺で奇行種を探す。4~6m級くらいがちょうどいいんだが――――――そんな都合よく現れるわけもねぇ――――――――と思っていたんだが。
「うわぁぁぁああ見てリヴァイ!!黒髪の可愛い子がいるぅぅ!!!あれ、どうかな?!?!」
「………いるのかよ……てめぇの引きの強さには感服する。……見る限り通常種に見えるが……。」
ハンジが指さしたそいつは、体の割に頭がでかく、黒髪を揺らしながらあてもなくただぼんやり歩いている。
「うわぁ、さっそくだ……4…5mってとこですかね。」
俺の隣に馬を付けたオルオが、俺と同じく少し引いた口調で言う。
「ここから見てるだけじゃ、通常種と奇行種の判断がつかないねぇ。」
「このメンツで周りに他の巨人もいなきゃ造作もねえ。近づいてみて、通常種であれば殺す。」
「可哀想だけど、そうだね。そうしようか。」
「よし――――――――――狩るか。」
『はいっ!』