第34章 奇行
「明日は運よく可愛い子に出会えるかなぁ!」
「ハンジさんはなんでそんなにウキウキしてんですか………。」
サッシュさんが困ったようにハンジさんを横目で見る。
「この近辺で捜索するんですよね?あんまり遠いと運べないし……。」
「……まぁ、手足を切り落としまえば運べるんじゃねぇか?」
「確かに。」
「えぇっ、ダメだよ可哀想じゃないか!!できるだけそのままの姿で捕獲したい!」
「いや、どうせ繋とめて飼ってる間にまた生えて来るじゃないすか。」
「まぁそうだけどさ。むごいじゃないか、手足捥ぐなんて。」
簡単な食事で栄養補給をしながら、明日の事を話す。ずっと気を張っていたから、みんななにやら楽しそうだ。
「ちょっとサッシュ、あたしの分とらないでよ。」
「俺はお前より身体もデカいしよく働くから腹が減んだよ。」
「あ――――――うっとおしい!」
「どうしました?エルドさん。」
「飯くらいゆっくり食べたいのによ………やけに虫が多い………蠅か……?あっ、くそ、飯に入るじゃないか……!」
「ですよね……俺なんか、馬で走ってるとき何回虫が口に入りそうになったか……。」
「サッシュはぼけーっと口開けて馬乗ってるからじゃないの。」
「あぁ?!リンファてめえ、俺先輩だぞ!」
「――――――もう慣れたけど、この血と死臭も……食欲なくなりますね……。」