第33章 宥和
「ハル…………。」
「はい。」
「謝って済むことじゃない事って、果たして謝るべきなのかな………。」
僕の真面目な問に対して、ハルはきょとんとした顔をしたあとに大きく笑った。
「な、んですか……?その質問……!」
「いや、結構真面目に聞いてるんだけど。」
「……そうですね。では―――――――、あなたは、どうしたいのですか?」
「………僕?相手がどう思うかが大事でしょ?」
「それも大事です。でも、まずはあなたがどうしたいのですか?」
僕はいつも相手がどんな反応をするか、どう思うか、一番効果的な言葉と振る舞いを考えてそれを体現するようにしてきた。いざ、一番に自分がどうしたいのかを問われると難しくて、考え込んでしまう。