• テキストサイズ

【進撃の巨人】片翼のきみと

第33章 宥和




「………お母様はそんな人じゃないわ。誰よりも人を救うことを考えている。きっと――――――壁の外でも、自分の使命を果たしてる。」

「―――――愛し合っている間はお人形みたいにだんまりなくせに、やっと喋ったと思ったら可愛くないこと言うね。」



ロイは私の首に両手をかけ、力を込めてそのままベッドへと私の体を押し倒した。



「―――――そうだな、じゃああの女が生きて帰ってきたら――――――ここに縛り付けて、あの女の目の前で姉さんを犯してやる。」

「――――――…………。」

「それまで、壊れないでね?」



両腕に力を込められ、呼吸もできずにひゅ、と喉が鳴る。

ロイは私の首を絞めていた手を緩めて、ポケットから一粒の錠剤を取り出した。それを自分の舌にのせ、自分の唾液ごとその錠剤を私の喉奥に送り込むように口付けをした。



「――――――さて、姉さんはこの魔法の薬でどうなるのかな。」

「……………。」

「――――ハルの時のように、魔法を解いてくれる人はいないよ。さて、どうする?」

「……………。」

「じゃぁね。行ってくる。」



扉を閉められ、ガチャ、ガチャと二重の金属音がした。

しばらくして窓の外に目をやると、馬車に乗り込み、学校へと送り届けられるロイの姿が見えた。

私は衣服も与えられず、下着だけの姿で両手を拘束されたまま、ただその部屋で人形のように時間が過ぎるのを待つことしかできなかった。

もう何日もロイ以外の人に会っていない。

/ 3820ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp