第4章 再会 ※
「………!本当に………?なんてことだ。……君とは縁がある。改めて私の名は、エルヴィン・スミス。よろしく。」
「ナナ・オーウェンズです。リグレットさんから聞いていました!調査兵団は……壁の外に……自由を求めて戦っているって……!私、あなたとずっとお話したいと思っていました!まさか、本当に出会えるなんて―――――――――――」
私は感極まり、思わず涙ぐむ。
母が選んだ人が、私の夢を叶えるための一歩になる縁を与えてくれた。
「……ナナ・オーウェンズ……なるほど、噂に聞く最年少で医学大学を卒業した才女とは、あなたのことでしたか。お目にかかれて、光栄です。」
エルヴィン副団長は、少し膝を折って傅くと、私の右手をとって手の甲にキスをした。
紳士だけれど色気のあるその仕草に、私は戸惑った。
「ナナさん、少しテラスでお話しませんか。」
「はい、喜んで!!」
私は満面の笑顔で答えた。
エルヴィン副団長が私をエスコートすべく、キスを落とした右手を取って歩き出そうとしたその時、目の前に黒髪の小柄な男性が割って入った。
聞き覚えのある、低くて鋭い声と共に。