第31章 罪
「……調査兵って、そんな給料良いの?」
「う………まぁ………そんなに長期的に……雇えるほど、ないんだけど………。」
姉さんがごにょごにょと都合の悪そうな事を言うのが、おかしかった。
「……ふ………。」
「……笑った。」
「え?」
「ロイ、笑ったでしょ今。」
「………笑ってない。」
「笑ったわよ。かーわいい顔で。」
「うるさいな。」
「………いいわよ、これからたくさん時間があるんだから。いっぱい話そう?」
姉さんはまるで少女のように、興味深そうに嬉しそうに僕を見つめた。
「もしかして僕の看病ずっとする気?」
「当たり前でしょ。」
「えぇ………僕もそれなりに年頃だし、色気のあるおねぇさん系ナースに可愛がってもらいたいんだけど………。僕人気あるし……、僕の看病を独り占めしたら、妬まれるよ?」
「……………。」
姉さんが難しい顔をして固まった。