第31章 罪
ロイの側で、その手を握る。
男の子にしては白く柔らかい指。
私と同じ白銀の、猫のように柔らかな髪。
薄い胸板と細い手足。
今までこんなに注視したことのない弟をひとつひとつ観察していく。
「ねぇロイ………もっと話そう。もっと知りたい、あなたのこと、ちゃんと………。」
眠るロイにぽつりぽつりと話しかける。
「だから、目を覚ましてね………もう一人に、しない……から………。」
私はロイの手を握ったまま、うとうとと眠りについた。
「…………ねぇ、さん…………。」
微睡みの中で、ロイの小さな声が私を呼んだ気がした。