第4章 再会 ※
「やぁ、お久しぶりです。まさかここで会えるなんて、光栄です。」
長身で金髪碧眼の男性が、私の右手を取り、そっと彼の方に引き寄せた。そして私の耳元で、囁いた。
「話を合わせて。もめると厄介な相手だ。」
私は言葉通り、彼に合わせて言葉を繋いだ。
「本当に。お久しぶりです。」
「おい、失礼な奴だな!彼女は俺と別室でゆっくり話をしたいと言っていたところなんだぞ。」
ジョナサンが割って入ってくれた彼の肩を掴み睨み付けたが、彼は全く動じず、にこやかに接していた。
「あぁ失礼致しました。これはこれはジョナサン様。クロッカス家の次期伯爵にお会いできるなんて光栄だ。私はエルヴィン・スミス。調査兵団副団長を務めさせて頂いています。以後、お見知りおきを。」
エルヴィンと名乗った男性は、深く頭を下げた。
「ふん……調査兵団だと。なんの成果もあげられない、無能集団か。」
ジョナサンが厭らしく笑うが、エルヴィン副団長は笑顔を崩さない。
「無能……そうですね、確かにあなたのように富も名声も地位もなにもない私ですが………無駄な肉を削ぎ落とすのは、得意です。」
にこやかな表情からは想像のできないような冷たい声色に、私までもゾッとした。
「!!」
「なんなら………試してご覧にいれましょうか?」
「………ひっ………い、いらねぇよ……!ちょっと……俺、あの……用事あるから……。」
そう言い残して、あっけなく去って行った。