第31章 罪
「―――――……あなたがいけないのよ。急に、理由もなく解雇ですって………私たち親子に、死ねと言っているのと同じよ………っ……!これまで、こんなにも尽くして来たのに―――――!!!!」
アンは泣きながら言葉をこぼした。
「お願いアン!!馬車を呼んで……っ!!誰か、ロイを運べるように……助けを……っ……!お願い、アン………!」
「…………。」
「ロイが、死んだら……っ………、アンが捕まってしまったら……っ、子供たちはどうするの?!お願い、………助けて……っ……!」
私の言葉に、アンの目から涙が溢れた。
アンは震える足で走り出し、すぐに馬車が手配された。
ロイを病院に運び込んだ時、青ざめた顔の父がその場で卒倒した。が、そんなことに構っていられず、私はすぐに処置室で弟の身体からナイフを除去し、縫合をした。
弟の身体にメスや針を入れることに手が震えるかと思ったけれど、意外にも私は冷静だった。