• テキストサイズ

【進撃の巨人】片翼のきみと

第31章 罪




頭が働かない。

自分の醜さを受け入れることが、こんなにも辛いなんて思ってもみなかった。

日が傾き、辺りが紅く染まるその時間に、ぼんやりとした頭を抱えながら洗濯物を取り込んでいると、門前に馬車がついた。

珍しい、ロイがこんな時間に帰ってくるなんて――――――

ロイが馬車から降り、屋敷に歩みを進めた時、後ろにゆらりと不安定な様子の人影が見える。

あれは―――――――――アンだ。

どうしたのだろうか、不当解雇の申し立てをしに来たのか。

――――――いや、様子がおかしい。

アンは鬼のような形相で、その手には―――――――ナイフが握られている。



「―――――アン!!!!!!何を――――――……っ!」



ロイが私の方を一瞬見て、アンの方を振り返った。



アンは身体ごとロイに強くぶつかり、その手に持っていたナイフがロイの脇腹に、刺さっていた。


倒れ込むロイを見て、アンは震えながら呆然と血にまみれた手を眺めていた。




「ロイ―――――ッ………!」




私はロイに駆け寄り、身体を抱き起した。

その脇腹に刺さったナイフの傷口から、ドクドクと血が流れ出ている。すぐに髪からクラバットを外して、傷口の周りに添えて止血を試みる。

ナイフを抜いてはいけない。

このまま、病院に運ばないと……。

ロイの口から、苦しそうな声が漏れる。



「……うっ………ぐっ………!」


/ 3820ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp