第31章 罪
啖呵を切ったものの、その前にやらなきゃいけないことが山積みだ。
この屋敷を維持し、ハルの看病をしなければならない。
私の毎日は、ただひたすらに目の前の雑務をこなすばかり。
掃除、洗濯、大量の封書の処理……目まぐるしすぎて、エルヴィン団長に手紙を書くことすらままならない。
みんなは心配しているだろうか――――――そう思った矢先、一通の封書が届いた。
達筆なそのサインは、エルヴィン団長のものだ。私は急いで封を切ると、そこには言葉少なくただ一言――――――――
“君の望むままに”
ただ、それだけだった。
涙が出た。
私の決断を信じると、そう言ってくれる。
あぁ、なぜいつもこの人は―――――――私の心を見透かしてしまうのだろう。
私はその封書を胸に強く抱き、確固たる決意をした。奪還作戦までに無理に戻ることを考えてこの根深い問題を中途半端に放置しない。必ず解決してから、私は調査兵団に戻るのだと。
こんなにも遠くからでも、私の背中を支えてくれる。私は首元の翼にそっと触れた。