第4章 再会 ※
「お嬢様……お嬢様の夢のために、その美貌を使わない手はないでしょう……?」
私の耳に、ハルが悪魔のように囁いた。
「……え?」
「せいぜい愛想を振りまくことです。笑顔はタダなんですよ!!そうすれば……志の高い、外の世界への足掛かりを持つ方と出会える可能性だって、広がるんですよ!」
「!!!」
「せいぜい楽しんで、夢を共に追える殿方をお探しになりなさいな。」
「ハル、あなた天才ね……!私、やるわ……!」
俄然、やる気が出た。まったくハルは、やっぱり私の扱いがうまい。
私は少し遅れて王宮に着いた。
王宮のフロアは、ここが巨人から逃れる壁の中だと忘れてしまうくらいに煌びやかな世界だった。ゴージャスなドレスに身を包んだご婦人に、見るからに質の良いスーツを着た紳士。豪勢な食事と色とりどりのお酒。
初めての場所で多少緊張もしたが、ハルの言う通り。
夢のためなら!と、にこやかに笑顔を振りまいた。