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【進撃の巨人】片翼のきみと

第29章 罠




「あぁ。かねてから奇行種には手を焼かされるが、これまでに奇行種は人間に興味を示さない、共食いなどの異様な行動が見られている。―――――なぜ通常種が人を食らうのかが行き詰っているのなら、奇行種がなぜ人間に興味を示さないのかを調べたい。」

「いやぁわかるよ!!さすがエルヴィンだ!!!奇行種の巨人の魅力といったらもう……!」



興奮するハンジを上から押さえつけてリヴァイが口を開く。



「捕獲してどうする。飼うってのか?調査兵団で。」

「はは、さすがに壁内では飼えないな。ウォール・ローゼからそこまで離れない場所で簡易的につなぎ止める。前回の壁外調査で物資はすでに余分に運んである。通常種は知性を持ち合わせていないとされているが、奇行種に関しては調べた過去がない。まずは奇行種の基礎的データを取って、もし多少の知性を持ち合わせているなら―――――――生存本能を脅かす何かしらの方法で、こちらの意のままに使えるかもしれない。巨人に対して巨人の力を以ってして戦えるようになれば、人類の勝利は一歩近づくと思わないか?」



その可能性を探る。

奇行種は特に行動が読めず未知のままだ。

奇行種の捕獲や研究は中央や王政からも激しく反発され、いっこうに実現しなかった。

ならばこの機を使って、一般市民が通常種を引き付けてくれている間に奇行種を捕獲する。





それも秘密裏に。





リヴァイもミケも最初は難色を示したが、ハンジの説得も相まってなんとか理解を引き出せた。


リヴァイ班は奪還作戦の3日目、通常の班に紛れて出立。

奪還作戦と異なる経路で前回の壁外調査で物資を搬入した廃村に向かい、物資を補給。仮の捕獲施設を設営し、奇行種の捕獲・繋ぎ止めるところまでを最小目標に掲げている。

いくら一般市民が囮のような役割になるとはいえ、巨人の急襲は避けられない。

ゆえに戦闘能力の高い兵をリヴァイが自ら抜粋して班を編成している。

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