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【進撃の巨人】片翼のきみと

第29章 罠




「ハルが病気なのよ?!私は家族よ!部外者じゃない!」

「――――――オーウェンズ家を捨てたのは誰?」

「………それは………っ……!」



私がたじろぐと、ロイは薄く冷たい笑みを零した。



「オーウェンズ家に戻ると約束するなら、調査兵団をやめて帰ってくるなら、家族だと認めてあげてもいい。」

「それは、できない。」

「―――――イラつくなぁ。どこまでも自分のやりたいようにするんだ。じゃあ、ハルの命は諦めなよ。少しずつハルが壊れていく様を見ていればいい。――――――それとも、僕を置き去りにしたように、ハルも置き去りにして戻る?自分の居心地の良い居場所へ。」

「―――――――…っ……!」



どうしよう。

もう、調査兵団に約束通り戻るには、明日には発たないといけないのに………。

私は何か少しでも手がかりを見つけようと必死だった。

―――――そうだ、あの時。ハルは、何を隠した………?罰、償うって何のこと――――――?私は、ロイの態度とハルの様子を繋ぎ合わせて仮説を立てた。




現実であってほしくないその仮説を嘘だと、違ったと確かめるためにハルが眠ったその隙にベッドの辺りを調べた。





「これは―――――――。」




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